考察

ぞろ目パターン(111、222、1111、2222)の出現率は異常に低い。

  ぞろ目パターンは、新司法試験開始以来、たったの2回しか登場していない。しかもそのうちの1回は、通常4つ出題が原則の行政法で唯一3つ出題のレアケースで登場(平成22年度)。もう1回も、現在とは出題形式が異なる平成19年度に登場したものである。
  裏を返せばレアケース・出題形式違いではない普通の問題では1度も登場していないということになる。
  それらの事情を度外視しても、確率的に違和感が否めない。これまで「1/2問題」は合計146問出題されている。そのうち、ぞろ目はたった2回しか登場しておらず、登場率は1.37%程度となっている。
  3つ出題の場合は、2^3=8通りのうち、111,222の2通りがぞろ目となるから、登場率は2/8=25%程度となる。4つ出題の場合は同様に、12.5%(2/16)となる。それらから比べるとぞろ目登場率が異常に低いことが分かりやすい。
  そう考えると,「同じ数字の連続が正答になる」ということは,少なくともあと数年(または本稿が試験委員の目に入って対策を取られるまで)は,あり得ないと考えても差し支えないのではなかろうか。
  その考察を応用すると,たとえば,あと1つの記述の正誤が分からないという状況において,それ以外の選択肢が「111・」や「2・2」などであったとすれば,かなり高い確率で同じ数字が入らないことが分かる。
追記:同じ数字の連続は受験生心理的に、「あり得ない」と思ってしまうのが人情である。そういった思考に至らないために試験委員があえてそういう出題を外しているのではないかと考えている。

同じパターンの連続はよくある。
登場パターン数が少ないケースもよくある。

  同じパターンの連続、たとえば2問続けて「1212」が正答となるような並びは、個別に指摘するまでもなく頻繁に見られた。
  また、たとえば平成21年度の憲法では、1/2問題が10問あるところ、正答のパターンがわずか4通りしかなかった。これなども解いていて不安感が出てくるが、新司法試験択一公法ではよくあることである。

行政法の正答パターンはトリッキー。

  正答被りがほぼなくバラバラであったり(平成21年度),「1・・・」で始まるパターンが1つしかなかったり(このようなパターンになる確率は1.76%である。平成22年度),「12・・」で始まるパターンが数年出題されない一方(平成22年以降),その次に「12・・」が出題された年は10問中6問が「12・・」であったりと,行政法においては非常にトリッキーな傾向が目立つ。