はじめに

  本稿は,新司法試験(正確には「司法試験」と呼ぶべきであるが,旧司法試験との対比のために敢えて「新司法試験」と呼称する。以下同じ。)の択一式試験(正確には「短答式試験」と呼ぶべきであるが,一般的な呼称である「択一」と呼称する。以下同じ。)の傾向を分析しようというものである。
  傾向といっても,「●●の分野からの出題がここ数年ないので来年辺り出題されそう。」などというような出題傾向を分析するものではない。標題のとおり,「データ」を分析することによって,高得点を取るための情報が得られないかという観点の「傾向」を論じるものである。
  具体的には,公法系の問題によく見られる,

憲法●●条に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

という、通称「1/2問題」の正答の傾向を分析することがメインとなる。
  筆者は受験業界から離れて久しく,このような分析が既に予備校によってやり尽くされているかどうかは判然としないが,せっかく調べたということもあり,ここに公表することとしたい。
  もっとも,本稿には誤りがある可能性もあり,そのことを承知の上で読んでいただきたい。
  配布版では出現パターンを全て挙げているが、本稿では省略する。